大学受験「地理」勉強法 ②分野別:系統地理
センター試験対策であれ、国公立2次対策であれ、私立大対策であれ、大学受験のために地理を勉強する場合、まずは「系統地理」を学ぶのが良いでしょう。
地球全体として見た自然環境の特徴を知らなければ、それぞれの地域の細かな特色を理解することは難しいからです。
地理の勉強として最初にすると良いのは、教科書を最初から最後まで一通り読むことです。
この際、教科書の内容を覚えようとして読むのではなく、ただざっと流し読みをしましょう。
これによって、地理という学問がどのような学問なのかをまず把握することができます。
教科書を一通り読めば、地理が、出て来る語句を一つ一つ覚えていけば良いという単なる暗記科目ではないということがわかります。
それぞれの地域で盛んに行なわれていることが、単なる事実としてではなく、その地域の自然環境ゆえに成るべくして成ったという物の見方の感覚が自然と身に付きます。
まずは教科書を一通り読み、そのような地理的思考を養いましょう。
教科書を一通り読んだなら、今度は情報を覚えていきます。
教科書の内容を今度は初めから詳しく覚えていくわけですが、教科書の体裁や表現は面白みがなくなかなか頭に入らない場合が多いので、市販の参考書を使うのをお勧めします。
一般的な書店で手に入る地理の参考書は大抵、「系統地理」と「地誌」に分かれているので、この段階では「系統地理」の参考書を準備してください。
大手予備校の講師が監修した参考書も数多く出版されており、自分にとって使いやすいと思える参考書を準備しましょう。
使用する参考書を1冊決めたなら、大きな世界地図の白地図を用意します。
今後は学習した情報をすべてその白地図に書き込んでいくので、可能な限り大きなものがお勧めです。
インターネットでダウンロードする場合は拡大印刷をすると良いでしょう。
準備した参考書を初めから時間をかけて読み、1ページごとに学習した情報をすべて白地図の該当する場所に記入していきます。
河川や山脈などの固有名詞も記入しましょう。地理では、覚える事柄の「場所」がどこなのかが非常に重要です。
そのため、場所のイメージをつかむためにも地図に書き込むのは良い方法です。
この地図は今後新たな情報が得られるごとに書き加えていくことになるので、今度その近くに何かの情報を書き込むとき、以前に書き込んだ情報が自然と目に入り効率のよい復習ができます。
情報を書き込む際、気候、産業、地形といった分野ごとに色分けしておくなら、地域ごとの特徴が把握しやすくなります。
「系統地理」の分野で特に重要な項目は、気候です。地球上の地理的状況は大抵の場合気候に影響され、それによって人々の生活スタイルは決まります。
食生活、農業、住居、鉱業、経済といった人々の生活スタイルはほとんど気候と結びつけることができます。
例えば、雨の少ない砂漠地帯にすむ人々の住居は日干しレンガであり、湿度の高い東南アジアの人々の住む住居は高床式です。
気候が安定している地域には自然と人が集まり、経済も発展します。
気候の特徴を理解すれば、自ずとその地域の人々の生活が見えてくるのです。
それで、どの参考書にも大きく取り上げられている「ケッペンの気候区分」をまずは確実に理解しましょう。
すでに述べたとおり、地理は暗記科目ではありません。
もちろん暗記しなければならないことはたくさんありますが、どれも「事実」として暗記するのではなく、「理屈」として暗記するようにしましょう。
その事象がなぜそのようになるのか、その理由に注目する習慣を身に着けることが大切です。
地理で学ぶ自然環境の理由は、たいていの場合常識の範囲で十分理解できるものです。
例えば、ケッペンの気候区分は大きく分けて5種類ありますが、これら5つの気候区分は、赤道を境にして北半球と南半球にそれぞれの極に向かって対称に、熱帯、乾燥帯、温帯、冷態、寒帯と順番に広がっています。
これは、地球が球であり、太陽の光がどのように地球に当たるのかを考えれば常識的に理解することができます。
世界のすべての場所の気温や降水量のデータを完璧に暗記することは不可能ですし、それらの細かなデータは年ごとに変わる場合があります。
それで、その場所でそのような気候になる「理由」を考えながら学習しましょう。
「暗記」するのではなく、「理解」するようにするのです。
そうすれば、たとえ一度も参考書に出てこなかった雨温図やハイサーグラフが出題されたとしても、対応することができるでしょう。
例えば、沿岸部と内陸部で気温の変化に違いが出るのはなぜでしょうか。
それは、水と岩石の比熱の違いによるものです。
比熱とは、その物体が温度の影響を受けやすいか受けにくいかを示す指標となるもので、比熱が大きい物体ほど温度の影響を受けにくく、比熱が小さい物体ほど温度の影響を受けやすいといえます。
沿岸部ではすぐ近くに海の水という比熱の大きな物があるので、その近辺の地域は熱しにくく冷めにくい、つまりは温度変化がそれほどない気候になるというわけです。
一方で比熱の低い岩石に囲まれている内陸部では、熱しやすく冷めやすいという状況が生じます。
それゆえ、内陸部の気候は沿岸部に比べて一日のうち、一年のうちの温度変化が激しくなるのです。
ちょうど夏の暑い日、昼間はコンクリートがとても熱くなるのに、日が落ちて夜になるとすぐにひんやりする、このような現象が内陸部では起きているのです。
このように、ある事象が起きる「理由」に注目すると、すべてのデータを細かな部分まで暗記する必要はないということに気付くはずです。
また、このように理屈で覚えると、一度覚えたことはなかなか忘れないでしょう。
このようにして一通り「系統地理」のテキストを学習できたなら、今度はセンター試験の過去の問題を最近のものから解いてみましょう。
センター試験の地理の範囲はほとんどが「系統地理」の分野なので、この段階で過去の問題を解き、問題のレベルや雰囲気に慣れることが大切です。
地理の場合、試験で取り上げられるデータは年々古くなっていきますので、最近のものから解いていくことをお勧めします。
過去の問題を何度も解くことで、出題の傾向やパターンがわかってきます。
解いているときにわからない問題が出てきても、必ず自分なりに解釈して解いてみましょう。
その解釈は間違っていても構いません。
とにかく考えて解く習慣を身に着けることが大切です。
あてずっぽうで解いてはいけません。
自分なりに理屈を考えて解くようにすれば、あとで答え合わせをして解説を読んだときに理解が深まります。














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