化学反応はパターンを見極めて,イメージで覚える
繰り返しになりますが,反応という現象は,反応物の間の電子のやりとりが非常に重要な役割を果たしています.
反応を理論的に正確に理解するためには,大学で学ぶ知識がどうしても必要になり,残念ながら高校化学の学習範囲では通り一遍の説明しかできません.
一方で,化学反応式の表し方については中学理科でも学ぶ内容ですし,小学校の理科でも反応式の考え方自体は学んでいます.
1つのAと2つのBがあったら1つのCができる,という反応については,反応物の間の電子のやりとりを意識せずに,A+2B→Cと覚えてしまうことが出来ます.
無機化学や有機化学では,このように反応式を理解せずにただ暗記しているだけでも答えが書けてしまうような問題に出くわすことがあります.
また,高校化学の有機化合物や無機化合物の分野で学ぶ反応は種類が多く,そのすべてを水の沸騰現象と同じように理解することは難しいかも知れません.
理論化学は苦手だが暗記は得意という人は,有機化合物や無機化合物の分野では思い切って暗記から入り,慣れてきたところでそれぞれの反応が起こる理由を考える,というのも一つのやり方です.
意味もわからないものをただ暗記する,となると非常につらいイメージがありますが,受験の化学に必要となる暗記は,どちらかというと反応のパターンを覚えるというものです.
物質名だけでなく構造式や示性式も併記して,反応前後で何がどう変わっているのかを意識すると,ただ単に暗記するよりもイメージしやすくなります.
例としてエステル化反応を挙げます.
エステル化反応では,R1-, R2-をそれぞれアルキル基(メタン系炭化水素から水素原子が一つ取れた形のもの,メチル基CH3-やエチル基C2H5-など)とするとき,カルボン酸(示性式R1-COOHの物質)とアルコール(示性式R2-OHの物質)が反応したら,エステルR1-COOR2と水H2Oが生成します.
すなわち,R1COOH+R2OH→R1COOR2+H2Oです.酢酸CH3COOHとメタノールCH3OHが反応したら,酢酸メチルCH3COOCH3と水が生成するのです.
では酢酸とエタノールC2H5OHが反応したらどうなるでしょうか?
生成するエステルは酢酸エチルCH3COOC2H5です.では,酢酸とフェノールC6H5OHではどうでしょうか?
酢酸フェニルCH3COOC6H5です.
エステル化反応では,構造式や示性式でR2-に相当する部分がどこであるかさえわかれば,生成するエステルが何であるかを答えられるのです.
このようなパターン化できる反応を確実に覚え,バリエーションを自分で書けるようになることが重要になってきます.














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