1-9大学受験においても、欲張るとすべてを失う
学校の成績で上位であれば気分がいいのは確かです。
定期テストで、テスト範囲をすべての教科について頑張って順位を上げる。
上位の成績をとれば、周囲からは「頭がいい」と言われるし、家庭でも「頑張っているよね」と成績表を見た親は言うでしょう。
実際、ある程度のレベルの大学を受験しようと思っている人であれば、中学の時の成績は良かった人も多いでしょう。定期テストの成績もそれなりに取っていて、部活動などの課外活動や、生徒会活動などで活躍していた人も多いかもしれません。
だからこそ、高校に入学後も、つい、中学校時代から染み付いている習慣で、学校の定期テストのための勉強も、課外活動も一生懸命にやるという思考から抜け出ることができないのです。
もし、あなたが、指定校推薦入試で大学合格を狙っているのであれば、中学の時と同様、学校の定期テスト(全教科)の勉強もやり、課外活動にも積極的に励むのがいいでしょう。むしろ、自分が望んでいなくても無理をしてでも、そういった行動をする必要があるのです。
しかし、国公立大学や、私立でも難関大学を一般入試で受けようと思っているのであれば、考え直さなければなりません。
大学へ行く人の半数以上が「推薦」で入学してしまう現在、上位の大学へ一般入試で受験しようと思っている受験生のレベルは、あなたが思っている以上に高く、大学入試は、そういった受験生の間での競争となるのです。
たとえば、大学入試センター試験。それほど難関でもない国公立大学を受けようと思っても、七割の得点力は必要です。難関国公立大学であれば八十五%以上得点しても、不合格である場合も珍しくありません。
そう聞くと、「大学入試センター試験は、マークシートだし、簡単なんだろう」と思ってしまうかもしれません。しかし、一度、過去問をやってみると、意外に得点できないことがわかるでしょう。しかも時間制限も意外に厳しいのです。
大学入試センター試験の英文法問題一つとってみても、かなり練りに練られた問題なので、学校の定期テストのように、暗記さえしていればなんとかなるものではありません。それどころか理解の伴わない中途半端な暗記は、ひっかけ問題に、出題者の思惑通り引っかかってしまうことになる。
社会の問題も同様です。「マークシートで、社会は暗記ものだから何とかなるだろう」と思っても、八割や九割を取るには、それなりのしっかりとした対策が必要なのです。
大学受験を「一般入試」で受けようと思っている場合、受験に必要な科目だけに集中して学習するにしても、膨大にやるべきことがあります。
ですから、あなたが今、高校生であるなら、「学校の成績(すべての教科)も上位を維持して、いい成績を取って、入試対策も両方やっていけばいい」と考えるのは、現実的ではないことに気づくべきです。
今すぐにでも、受験に必要な科目だけに集中して、それ以外の科目を学習する時間があるなら、受験に必要な科目の勉強時間を増やした方が合格に近づくのは間違いありません。大学入試では、一点でも多く得点する必要があるのです。
しばしば学校の先生や親などの大人が言う「文武両道」などのキャッチフレーズに惑わされてはいけません。
「先輩のAさんは、スポーツ系の部活動も高校三年生の夏まで一生懸命に行なっていたのに、東大に合格したんだって。学校の成績もよかった。だから、受験に関係なくても、学校の定期テストでも部活動でも何事にも、頑張ることがすごいんだね」
そういったことを、聞いたことがあるかもしれません。
しかし、それは、Aさんだからできたことで、「受験生に一般的なこと」ではなく、「例外的なこと」ととらえるべきです。実際には、「文武両道」を掲げて、それをやみくもに信じて実行しようとした人は、結局、どちらも中途半端な結果に終わってしまったという場合のほうが、はるかに多いのです。そのことについては、だれも触れません。
プロ野球ドラフトで選ばれる可能性が少しでもあるなら、Jリーグに加わることのできる可能性が少しでもあるなら、オリンピックに出場できる可能性が数パーセントでもあるなら、そのスポーツに集中すべきで、各教科の勉強する時間があったら、そのスポーツで自分が活躍できるベースとなる知識を学んでいくことに時間を使うべきなのです。
どちらかに絞る。
つまり、どちらかを捨てる。
そういった勇気が、高校生の今、重要なのです。
本当の意味での「文武両道」は、多くの受験生には当てはまらないことに気づくべきです。
「文武両道」は理想でしかなく、現実的ではないのです。
要するに、「きれいごと」なのです。
世の中には、表と裏があることを忘れてはいけません。
ただ、東京や兵庫に存在する「東大に毎年百人以上も合格するような中高一貫私立校」の場合、「文武両道」が可能な場合もあります。中学の時から、大学入試を想定したカリキュラムが組まれ、高校一年生の時には、理系であっても高校の勉強は完了し、高校二年と高校三年の二年間は受験対策だけに集中できるため、「文武両道」が可能なわけです。
「例外的な高校」に通っていて、さらに、そこに適応しているから可能であって、たとえあなたが、地域のトップレベルの進学高校に通っていたとしても、「第一志望大学に、一般入試で合格したい」と考えるなら、何を優先し、何を捨てるべきなのか、冷静に判断し実行する必要があるのです。
両方を欲張ってしまうと、両方とも中途半端になってしまう可能性が高い。
実際は、難関大学や医学部合格者の八割以上は、少なくとも二年間は自分が必要な受験科目の勉強だけに集中し、部活動などやりたくても我慢し、勉強に励んでいたのです。
別に、東大や医学部を受験するわけでなくても、自分の住んでいる地域の国公立大学を受験する場合であっても、「第一志望大学に合格する」ために、やるべきことを優先してやって合格を勝ち取っている人が多いんです。
これは、国公立大学医学部に合格したある受験生が合格報告をしてくれた時の話。
「中学から、吹奏楽部でサックスを吹いていたんですが、医学部を受験しようと思って、高校二年生になった時、合格するまでサックスを吹かない!と自分の中で決めたのです。合格通知を受け取った日、思う存分サックスを吹きました!!うれしかった!」
一年間浪人したあと、国公立大学の医学部に合格しました。
東大に合格した別の受験生は、
「どうしても、東大の文科一類に合格したくて、現役の時も、既にセンター試験で九割は超えていたのですが、浪人してから、センター試験の赤本を隅から隅まで、さらに十四回ずつ繰り返したんです。勉強だけの日々でした」
端から見ても優秀だと思われる人たちでも、自分の目標を明確に定め、それを達成するために、一定期間、必要なことに絞って集中していることがわかります。さらに、入試問題で一点でも多く取るために、あるいは、一点でもケアレスミスを防ぐために、貪欲に対策を行なっていることもわかるでしょう。
また、東大や医学部志望でなくても、高校三年生になってから自分の目標が定まって、一年間、大学受験のためだけに集中的に学習し合格を勝ち取った人もいます。
高三になってから、中一レベルの英語学習からやり直し、早稲田大学に合格したH君は、大学受験に必要な科目だけに絞り、それを集中的に学習しました。
高二までは、部活動で忙しい中、定期テストの勉強はそれなりに頑張っていました。しかし、現実を知った彼は、定期テストの勉強を中途半端にやるのをきっぱりやめて、大学入試に必要な科目だけの勉強に集中することに切り替えました。
私大受験のため受験科目が少ないとはいえ、早稲田大学に合格するには、高レベルの英語や社会の入試問題に対処しなければならないので、やるべきことは多くあります。彼の場合、自宅での学習は一日十一時間と設定(予備校の授業のある日はその時間も含む。学校での授業時間は含まず)。もちろん、学校にも毎日行っているため、必然的に睡眠時間が削られます。受験に必要な科目を十一時間、集中的に学習することを守ろうとすればするほど、受験科目に必要のない学校の授業でどうしても眠ってしまう状況となってしまいます。ただ、学校の先生に対して失礼な行動になっていたのかもしれません。
そして、彼は、見事、早稲田大学現役合格を勝ち取り、学校へ合格報告をした際は、それまでの授業態度(居眠り)に対し各先生方にフォローしたようです。
彼は、「なんとしても早稲田大学に行きたい!」と強い意志を持っていました。(中一レベルの英語も怪しかったのに・・・)
もし、彼が「早稲田大学に行きたい」という強い意志を持っていないまま、周囲に相談したら、「あなたの今のレベルはこれくらいだから、早稲田大学よりもかなり偏差値の低い◎△大学なら大丈夫じゃない?」と、一般的なアドバイスを周囲の人から受けたかもしれません。
たとえ、現状でどんなに成績が悪くても、第一志望大学に合格できるかどうかは、「現状の自分の学力」を冷静に受け止め、それと「第一志望大学の合格レベル」との差を、残された時間で埋められるかどうかなのです。埋められれば合格するし、埋められなければ合格できない。
それが埋められるかどうかは、あなた自身の意志と行動でしかありません。
別の例で、進学校ではない高校に通っていて、学校の成績も下の方であったF君は、高三になってから、地元の国公立大学に行きたいと考えました。自分の高校から、国公立大学の合格者は、毎年二~三人だけ。彼の場合も、受験科目すべてをゼロからやり直し。英語に至っては、中一用のテキストから始めました。ただ、幸か不幸か、彼の場合、元から、学校の成績もかなり悪かったので、「大学合格に必要なこと」だけに集中することはスムーズでした。もともと学校の成績が悪いので、学校の定期テストは気になりません。
結果、合格。合格報告に行って学校の先生に最初に言われたことは、「おめでとう!」ではなく、「えっ!?」だったそうです。
彼らは「まぐれ」で受かったのではありません。
実力があっても「運悪く」落ちることは、大学入試ではよくあることです。しかし、「運よく」受かることは、大学入試ではほぼないと言ってよいでしょう。実力がないと受かりません。
彼らの共通点は、行きたい第一志望大学に合格したいという強い気持ちが芽生え、自分の現状を冷静に受け止め、やるべきことを明確にし、実行して合格を勝ち取ったことです。
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