3.読解力
「現代文が苦手」「偏差値にムラがある」という人の大半は、読解力で悩んでいるのではないでしょうか。
試験では長文を短時間で正確に理解し、設問に解答することが求められます。
つまり、インプットとアウトプットをいかに効率よくできるかが鍵になるのです。
そこで、はじめに効率の良い長文読解への取り組み方を紹介します。
①長文読解問題への取り組み方 試験が始まったら、まず問題文・設問の分量をチェックします。
どれくらいの長さの文なのか、何問あるのか、選択式なのか記述式なのか、できれば論説文なのか小説文なのかくらいまでの情報をできるだけ短時間で把握しましょう。
過去問で慣れていて形式も大きく変わっていないようであれば、ここは数秒で済むはずです。変わっていたとしてもあせらず、冷静に時間配分を考えましょう。
取り組む問題が決まったら、まず設問を読みます。
ここではより分りやすい論説文を例にします。
ここで問題文に手を出すと、時間を大幅に食うことになりますので注意してください。
気になりますが、後回しです。
設問を理解したら、問題文に入ります。
ここで、設問及び問題文を読むにあたり、ぜひ試していただきたいことがあります。
それは、「文を目で見て意味がわかる状態にする」ことです。
はじめは少し面倒かもしれませんが、慣れれば読解の効率が飛躍的に上がります。
目的は、読み直しの手間を省くためです。
例えば「傍線部A『・・・』とあるが、それはどういうことか、次の中から選べ/説明せよ」のような設問を解くとき、問題文の最初から読み直していたのでは大いに時間のロスです。
この問題の答えは前後の文・段落に隠されていることが多いので(離れた段落の場合もありますが、まれですし分りやすいです)、実際には傍線部Bが含まれる段落~大段落を見れば解答できます。
さらに設問形式が選択肢である場合は、選択肢内の違い・矛盾がそのままヒントになります。
どれか一つ以上は正解なわけですから、異なる点を念頭において文章を読み進めていけば初見で答えがわかることもあります。
つまり、この設問の場合、
①設問を読んで選択肢の違いをぱっとみて分かるようにしておく
②問題文を段落分けしながら読む、
の手順に沿って解答していれば、問題文の読み直しは必要ないので非常に短時間で解答できます。
それでは、具体的に「文を目で見て意味がわかる状態にする」方法を見ていきましょう。
・段落が変わるところに印をつける
一文字下がっているところに印をつけます。
□(しかく)や階段型が分りやすいです。
さらに、明らかに前後と内容が変わっている大段落もわかれば、線を引いて区別しておきます。
・傍線部は強調する
長文になると、傍線部を探すだけでも時間がかかります。
傍線部が出てきたら、吹き出しをつけたり大きく記号をつけたりして(例えば「傍線1」なら①など)ぱっとみて場所が分るようにしておきます。
・具体例は囲む(段落、文章など)
「例えば」などの接続の言葉で始まる文、急に個別具体的な話になった部分などは大きな□(しかく)や[ ](かっこ)で囲んでおきます。
・まとめの文に線を引く
まとめの文を探すには、接続詞(つまり、要するに、こうしてなど)や位置(大段落の最初や末、小段落末など)に着目すると良いでしょう。
この文は問題文の要旨をつかむのに非常に有効ですので、二重線などで強調しておきます。
・対立して使われている語句に注目する
論説文では、対立する概念を使って論を展開することがよくあります。
例えば「自然」と「人工」だったとすると、文章の中で「自然」という言葉で言いたいことについて論じている部分と「人工」という言葉で意味している部分が両方出てきます。
このような場合は、まず「自然」を△、「人工」を▽のように対立を表す記号をつけます。
そして、出てきた具体例やまとめの文がどちらについての文なのか、△▽で印をつけながら読んでいきましょう。
この方法は設問を読むときにも有効です。設問ではいろいろな対立が「答え」として書かれていますので、はじめに印をつけておきましょう。
以上が、おすすめする加工です。
もちろん他にも着目すべき点はあるでしょうが、スピードと両立することを考えると、まずこのあたりを押さえれば良いのではないでしょうか。
まずは、この作業がすらすらとできるようになるまで訓練しましょう。
集中して意味を考えながら文を読むくせが付くので、おのずと読解力が上がってきます。
②読解力のアピール方法
ここからは、加工した文章をどう使えばいいのかについて説明します。
設問は、大きく3種類に分けられます。
ここでは選択式の設問を想定しますが、記述式でも答えのヒントとなる箇所は同じです。
・「傍線部A『・・・』とあるが、それはどういうことか、次の中から選べ/説明せよ」 抽象的であったりまとめの部分であったりする一文に線が引かれていて、意味を問う形式の問題です。先ほど例にあげた設問ですね。
・「傍線部B『・・・』とあるが、それはなぜか、次の中から選べ/説明せよ」 筆者の主張や結論について、論理的根拠を問う形式の問題です。
この問題の答えは二項対立部分や具体例の中にあることが多いので、傍線部近くの記号を探しましょう。
また、選択肢もその部分の内容を言い換えたような内容になっていることが多々あります。
この言い換えた「ような」というのが曲者で、少しずつ本文とずれた内容のまぎらわしい選択肢を出題してきます。
文章の印象に惑わされず、設問で使われている言い回しと問題文の内容が一致するか慎重に確認するようにしましょう。
・「問題文全体を通して、筆者の主張はどういうものか。」
筆者の主張や結論について、全体の流れと要旨を問う形式の問題です。
この問題は、前2つと違って一部分を見れば解けるというものではありません。
選択肢の種類としては、本文で出てきたキーワードが散りばめられているものや新しい具体例で示しているものなどがあります。
どちらにしても、問題文の段落のつながり・論の展開を丁寧に追うことが重要です。
ここでは、段落分けや二項対立が役に立ちます。
段落ごとの結論、具体例の使い方(筆者の意見の補完なのか批判なのか、など)を確認し、適切な選択肢を選びましょう。
この問題では、語彙力も問われています。
実はこの設問ではキーワードやそれに代わる具体例は比較的分りやすいことが多いです。
やっかいなのは、それらをつないでいる言葉。
キーワードや具体例をどう関連付けているかがまぎらわしいのです。
問題文の理解があいまいだとこんがらがってしまいます。
一つ一つの言葉や文を丁寧に見て、問題文と矛盾がないか落ち着いて見ていくようにしましょう。
以上、少し長くなりましたが長文読解で点をとるための方法でした。
正直めんどくさい…と思っている方、多いと思います。気持ちはわかります。
でも、それでも、ぜひやってみてください。
この方法を強くおすすめする一番の理由は、点数が安定するからです。
現代文が得意という人の中にも、問題文によってできる時とできない時がある、という人は結構いるのではないでしょうか。
点数のムラを、「問題文との相性」で片づけてしまってはいけません。
本番の入試で相性が合わないと、悲惨なことになるのはいう間でもありません。
そしてもう一つ、いいことがあります。
この読み方を続けていくと、文の要旨をつかむ力が自ずと付いてきます。
これは、皆さんが目指す大学に入った後非常に役に立つことになります。
文系であれ理系であれ、大学では多くの文献に接することになります。
パッと要旨をつかみ、論の展開と根拠を理解する。これが毎日繰り返されます。
受験現代文で求められている能力は、まさに大学で、そして社会で必須の能力なのです。
ここまでで、基礎となる現代文の解法はいったん終わります。
次章からは、種類や形式ごとに、少し違った視点から点数をとりにいく方法についてお伝えします。
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